香り

人間の感覚のうちもっとも表現しにくいのは嗅覚かもしれないが、ここ数日は何かと嗅覚が敏感だった。 香りについて書いてみようと思う。一昨日、自動車を走らせている途中に窓を開けると、春の香りが流れ込んできた。 それは日光で温められた土の香りという…

少年老い易く。

明日から仕事です。エイプリルフールのネタでもなんでもなく、本当に明日から仕事です。 長かった学生生活。ようやく定職を持つことが出来ました。ところで仕事仕事という前に、6年間の生活を、学業の点から短く振り返ってみたいと思います。 恥ずかしい話…

再開のお知らせ/ペンとノート

今と同様、去年の秋も今年の冬も、言いたいことは色々あったので、特にブログのネタに困っていたという訳ではないんですが、2月中旬に予定された鬼畜的試験の対策を練らなければならなかったので、長いコト勝手にお休みしていました。一度書きはじめると、…

星に帰る

Coldplayに『The Scientist』という曲がある。なかなか素敵な歌なのだが、最初にこれを聴いたときI'm goin' back to the starというフレーズが出てきて、なんと幻想的な歌なんだろうと思い、惚れ惚れした記憶がある。 恋人との気持ちが通じ合わなくなった男…

それは急な坂道を登りつめるように

世の中には色々な小説があるけれど、クライマックスまでの「登り詰め方」がすばらしい小説というのは、やはり僕にとって優れた小説だったんじゃないかなと思う。個人的にすごく印象的だったのはドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、村上春樹の『ノル…

事実は小説より奇なり

さてマッチングの試験やら面接も昨日をもって無事に終了したので、いくらか肩の荷が下りた。これからは卒試シーズンであるのでより一層勉強に励む所存であるけれど、その前に少し書き残しておきたいことを書いておくことにしよう。今年の夏もっとも面白かっ…

サウンド・オブ・サイレンス

家の近所の小さな飯屋で冷やし坦々麺を食べてきた。待っている間に、こんな本を読んでいた。飯沢耕太郎『写真を愉しむ』岩波新書写真を愉しむ (岩波新書)作者: 飯沢耕太郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/11/20メディア: 新書 クリック: 9回この商品…

軟弱はたまた日々ロック

月曜日と木曜日が楽しみなのである。月曜日にはスピリッツとヤンマガが発売されるし、木曜日にはモーニングとヤンジャンが出るから。それだけだ。それだけのことであるが…。どの雑誌も面白いけれど、特に最近面白いのは『孤高の人』と『ひらけ駒!』である。…

フジロック見聞録part2

グリーンステージに行くまえにやるべきことがあった。Coldplayまで見たら予定終了時刻は11時過ぎである。食事をとっておかねばなるまい。そこで僕はWhite君を先ほどのタイカレー屋に連れて行った。自分はレッドカレーを食べて少し後悔したので、white君には…

フジロック見聞録 part1

昨夜、友人に「S君、こないだ頼んだあの仕事もう終わっている?」と問い詰められる夢を見た。終わっているわけがない。だって俺はいまフジロックに来ているのだから…。そんなわけで昨日はフジロックに行ってきた。一日だけの参加だが、それでよかったと思う…

一人ぼっちということ

先日J禅寺通りを自転車で颯爽と走っていたら、通りに面したカラオケ屋から音楽が流れてきた。曰く「あなたは一人じゃない」と。余計なお世話である。最近頻繁に耳にする“あなたは一人じゃない”というメッセージ、いつから斯くの如く巷に溢れるようになった…

幸福論

勉強の休憩にyou tubeでエレファントカシマシの『珍奇男』のライブを流す。汗を流しながら叫ぶ宮本氏の迫力はすさまじい。23、4歳の男がこの歌を歌ったんだぞ。本当なのか?http://youtu.be/ARuVWCFpbhMこの歌を聴くといつも励まされるのである。 それで…

珈琲つきの朝食

地震の夢を見た。僕はベッドで寝ていて、そのうち収まるだろうと目をつぶっていたが、揺れはますます大きくなるばかりだ。次第にいろんなものが落ちてくる音が聞こえる。そのうち部屋全体が傾いて、僕はベッドから落ちそうになる。と思ったら目が覚めた。電…

流浪の日々

ローマについてはまた機会がありましたら書きたいと思います。杜の都に帰還して一転、今週はロック&ロールISHINOMAKIで救急科実習です。そして来週から2週間は帰省して地元の病院の救急科で実習です。まったく移動ばっかりでぜんぜん腰が落ち着かないです。…

Develop your own unique language(10日目)

さてさてフィレンツェ3日目は、自由行動の日である。 夕飯のときにまた集合ということで、朝から三人は思い思いの場所に出かけていった。僕はまずA藤くんとサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に向かう。 この教会の経営する薬局は、教会からは離れた場所にある…

イタリアファッション事情

閑話ということで、今まで書けなかった雑感など書いてみようと思う。(1)イタリアのファッションイタリアとは誰もが認めるように、服装にかけては敏感でハイセンスな街である。 子供ですら、親の買ってきた服は黙って着ないという。見られるということに非常…

ボローニャと壁と悪魔(8日目)

11:45AM、ボローニャ。 ものすごい混雑である。今日は平日のはずなのに、ここボローニャ駅には所々にスーツケースを引きずりまわす人の列がそこかしこで生まれている。 耳を澄ますと、英語をしゃべっている人が多い。アメリカは今日から長期休暇でも入るのだ…

ウフィッツィの朝と夜(8日目、9日目)

リアルト橋を渡ったガレリアにあるカジュアルなリストランテ。 ピアチェンツァで先生から教えて頂いた通り、1/2Lのハウスワインを飲む。 meso, rosso, vini della casa.と言うと、わかったというような顔をされ、小さなデキャンタが運ばれてくる。今回のメニ…

Gruppo otologico2 (6日目)

朝9時。快晴の空の下、教会や公園の側を15分ほど歩くとその病院はある。手術室に入ると、僕の顔を見たジョージ・クルーニー似の麻酔科医が手を上げて 「Tomoro, qui!」 と叫ぶ。トモユキという名を昨日教えたら、そういう風にあだ名を付けられてしまったのだ…

Gruppo Otologico(5日目)

ヴェローナ、ボローニャは思い切って省略してしまいます。 時間があるときにまたふりかえってみます。 さて、ピアツェンツァに到着したのである。ここは我々の目的とする、Gruppo Otologicoのある街である。 権威としてその名を轟かす、マリオ・サンナの手術…

やや改善した印象(2日目 その2)

「ここかあ」 誰が言うともなく、ため息が出てきた。B&B al filalmonico。 案内された部屋にはソファが一つ、エキストラベッドが一つ…そして、中央にダブルベッドが一つ。 我々は一瞬凍りついた。We are all men, not gay. 出発前の仙台で、インターネットで…

三人の東洋人が列車に乗りこむ(2日目 その1)

朝食をとってから、部屋に戻ってスーツケースの荷物を詰め直す。 新しく買ったモノなど無いはずなのだが、なぜか嵩が増している。 空いた時間を使ってA藤くんは弓の練習をする。僕はブログを書く。モンキーはMTVを観る。 今日は電車でヴェローナに向かう。ミ…

多機能ナイフ(1日目 その3)

食後はスフォルツァ城へとのんびり歩き出す。 ここはレオナルドが天井画を描き、ミケランジェロの4体目のピエタが置いてある。 緑の雑草で覆い尽くされた巨大な城の堀には、カタパルトに使われた投石がいまだに積み上げてあった。ミケランジェロのピエタで最…

大聖堂の朝(1日目 その1)

夜中に誰かの携帯電話が鳴っていたらしいのだが、目を覚ましたのは一人だけだった。皆が目を覚ましたのは朝の7時。荷物を整理し、着替え、諸々の支度を済ませて朝食を食べにゆく。僕はチーズとハムと白パンとスクランブルエッグ。残念なことにサラダはなかっ…

食事の値段(1日目 その2)

ブエラ美術館。 学生あるいは観光客達が中庭に腰掛けてぼーっとしている。 中央には像がある。偉そうだ。いろんな人がその像の下で写真を撮っている。 何かを権威付けて過去に残すという意味では石像はもってこいかもしれない。我々は9ユーロ払って中に入る…

イタリアが現れた(移動日)

移動日である。成田からミュンヘンまで12時間のフライト。『英国王のスピーチ』がやっていて、また観てしまった。劇場のを合わせてこれで二回目である。何故だか訳が微妙に変わっていて、それはそれで面白かった。 ヨーロッパまで行くのは、長時間で本当に大…

Team A(出発前日)

こんな日に限って久々にぶちかましてしまった。 予定起床時刻を大幅に超える寝坊。 早めに東京に到着して、買い物でもしようかと思っていたのだが。こんな時に慌てるとロクなことがないので、時間をかけて準備をしてみた。 忘れ物ないように確認して…。 さよ…

≪真の恐怖とは人間が自らの想像力に対して抱く恐怖である≫

いよいよ高次修練第2期『耳鼻咽喉・頭頸部外科』がスタートした。イタリアである。我々は明後日5/25に日本を飛び立ち、6/8に帰ってくる。ミラノ、ヴェローナ、ピアツェンツァ、フィレンツェ、ローマ。中耳マイクロサージェリーをめぐる冒険がまさに始まろう…

その一歩が踏み出せないとき/旅と読書

不思議なのは出発が近づくにつれて、どこか落ち着かなくなってくることだ。こういうとき僕は漠然と不安な気持ちになる。後輩が、合コンの直前ってテンション下がりますよね、と言っていたけどそれに近いかもしれない。おそらく人は新しい環境に踏み出す時、…

旅支度

準備は着々と進んでいる。明日の午前中、クロネコヤマトがスーツケースを集荷しにやってくるのだ。集荷した荷物は成田空港に運んでくれる。というわけで、今日中に荷物をまとめねばならなかった。色々買い足したりしなければいけなかったり、調べ物をしてい…