イタリアファッション事情

閑話ということで、今まで書けなかった雑感など書いてみようと思う。

(1)イタリアのファッション

イタリアとは誰もが認めるように、服装にかけては敏感でハイセンスな街である。
子供ですら、親の買ってきた服は黙って着ないという。見られるということに非常に意識的で、ある意味では日本人と似ていなくもない。

レディースのファッションにはあまり注目していなかったので(失敬)、メンズを中心に気がついた事をちらほら。

まず何と言ってもカラフルなポロシャツである。
イタリアではラコステ、あるいはフレッドペリーが流行っていた。ラルフローレンは少数であった。値段としてはラコステがだいたい80ユーロくらい、フレッドペリーが90ユーロくらいである。これは洋服全体に言えるのだけど、EU圏内で流通しているからか、日本より安い。
それをチノパンやジーンズの中に入れ、革や編み込みのベルトでさりげなく色を加える。パンツの裾は踝が少し見えるくらい。靴はデッキシューズやドライビングシューズ、あとはスペインのソールが藁っぽいキャンバススニーカー(名前を失念)。革のローファーも多い。

スニーカーも、日本ではあんまり履いている人を見かけないけれど、ラコステフレッドペリーが多い。あとはコンバース。そしてスペルガ。

スペルガはイタリアのキャンバススニーカーの代名詞と言われるが、ミラノよりもフィレンツェやローマで多かった。大体49ユーロくらいで、カラーバリエーションも豊富である。男は紺が多く、女性は白である。フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ教会の前では、中年のおばさんがスキニージーンズに真っ赤なスペルガを合わせて颯爽と歩いていた。

ちなみにスペルガの箱には、履き古したボロボロの白いスペルガの写真が写っていて、これが結構カッコいい。だがフィレンツェで、巨大な穴でソールとアッパーが分離された、もはや靴と呼べないようなスペルガを履いている青年を見つけ、思わず凝視してしまった。いくらなんでもやりすぎである。

なぜこんなにスペルガに注目しているのかというと、恥ずかしながら僕もスペルガに憧れていて、日本で二足も購入していたからである。しかし二足も履いてつくづく感じたのは、この靴使えねえなあという事である。
なによりソールが薄くて歩きづらい。実際一足目の白いやつは、一年くらいでソールラバーが削れてしまった。二足目の紺のやつは京都の旅行に履いて行ったのだが、石段の衝撃がダイレクトに足底に伝わるので、やはりやめればよかったと激しく後悔した。

要は長時間の歩行には実用的ではなく、かつ僕の足に合わないのである。しかしローマやフィレンツェのような石畳の多い街で、なぜあの靴が売れているのだ。僕はイタリア人に聞きたい。まあ安いからだろうけど。

おもわずスペルガで熱くなってしまったが、次は鞄である。
これはとにかく「EASTPAK」というリュックが流行っている。誇張じゃ無くて、マジで八割くらいの人間がそのナイロン製の鞄を所有している。タダで配っているんじゃないだろうか、と思ってしまうくらいである。日本ではよくグレゴリーの鞄を持っている人がいるけど、イタリアではとにかくコレである。中学生からおっさんまで、老若男女分け隔てなく持っている。
まったくもう、どうなっているのやら。

あとは巻き物である。イタリアは猛烈に陽射しが強く、もはや僕などは日焼けすらしてきたけれど、イタリア人の20%くらいは首にストールなどの巻き物をしている。あれで暑くないのだろうかという疑問が湧くけれど、きっとネクタイ感覚なのかもしれないと勝手に納得し、それ以上考えるのをやめてしまった。

多いのはニットセーターなどを肩にかけ、前で袖を結ぶ、いわゆるミラノ巻きである。これを日本で今やったら、むしろ斬新で再ブレイクするかもしれない。さすがに真面目にニットセーターを着る人は殆どいないが、巻き物専用として赤や緑などのカラフルなニットを身にまとっている人は、摂氏25度を超える今でも散見される。

(2)イタリアの食文化

…と、ファッションに続いて食文化について書こうと思ったけれど、書いているうちに段々愚痴っぽくなったのでやめました。機会があったらまた今度。

ちなみに今はローマである。
wi-fiが無料で使い放題なのはこの宿が最後なので、頑張って更新できるだけ更新しようと思う。