軟弱はたまた日々ロック

月曜日と木曜日が楽しみなのである。

月曜日にはスピリッツとヤンマガが発売されるし、木曜日にはモーニングとヤンジャンが出るから。

それだけだ。それだけのことであるが…。

どの雑誌も面白いけれど、特に最近面白いのは『孤高の人』と『ひらけ駒!』である。あくまで個人的に。

ヤンジャン孤高の人』はひたすら山に登り続けるストイックな登山漫画である。新田次郎の小説を原作にしているが、舞台は完全に現代のそれに移行している。

この漫画の一番の見どころは何と言っても主人公・加藤文太郎の孤独と苦痛に耐えるその姿である。

全裸で崖にぶら下がり(イメージです)「俺は山を愛している、もうここで死んでも構わない」と恍惚とした表情。前回の見開きは「さようなら、人生」だった。

このぶっ飛び加減、いいですねえ。

孤高の人 15 (ヤングジャンプコミックス)

孤高の人 15 (ヤングジャンプコミックス)



さてさて一方の『ひらけ駒!』である。

こちらは『孤高の人』が肉体的・精神的極限状態に追い込まれていく凄絶さとは異次元の、ほのぼの将棋漫画なのである。

将棋にどっぷりとはまってしまった宝君(小4)と、おそらくはシングルマザーの美人なお母さんの、将棋を巡るゆったりした日常を描いている。

南Q太ってどっかで聞いたことあるような、ないような漫画家だったが…ネットで調べてみたらかなりの実力派な漫画家らしい。

正直言って近頃巷にあふれかえっている「しあわせ」「癒し系」的な作品は軟弱な感じがしてあまり好きではない。

けしからん。胃液を吐きながら吹雪の中を彷徨う文太郎の最期を括目せよ。

だが抗えず第一話目から毎週欠かさずに読んでいる。今週も面白かった。

なんていうか、作品を一つ一つ大切に作っている感じがして好感が持てる。ディテールに凝っている漫画っていいですよね。

この路線の漫画はなんだかんだいくつか揃えており、『茄子』とか『どうにかなる日々』とか、今でもたまに読み返している。

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)



今日はついに、軟弱者と罵る自分の声を振り切り、近所の本屋に単行本を買いに自転車を走らせた。勉強に煮詰まったのもあるが。

買いに行ったのはいいのだが、田舎の貧弱な本屋には置いてあろうはずもなかった。

がっかりして漫画コーナーを歩いていると、『日々ロック』の第一巻が目に留まった。

ああ、いつか買おうかなと思っていたけれどすっかり忘れていた『日々ロック』じゃないか。こないだ休載してからしばらく忘れていたよ。

いつのまに、『日々ロック』を片手にレジに並んでいる自分がいた。

ハンバーガーを食べながら読む。

この硬派な感じが堪らん。

いじめられっこの主人公、だがギターを持つと人格が変わる。いいじゃないですか。

体育館が破壊されたり、先生がオカマのベーシストだったり、ほんと無茶苦茶だけど、そういうのをどうでもいいと思わせる力強さというか芯の強さに惚れた。

というわけで『ひらけ駒!』でなんとなくほのぼのしたかったのに、思いもかけず硬派な漫画にショックを受け、幾分奇妙な方向に気分が捻じれていった夜であった。

いやー、でも笑いあり涙ありで、愛すべき作品だと思います。

「うるせえバカ共! 黙ってフェラチオでもしとけ」

日々ロック 1 (ヤングジャンプコミックス)

日々ロック 1 (ヤングジャンプコミックス)



しかし酒を飲んで文章を書くって、無反省で楽しいんだけど適当になっていけませんなあ。

Led Zeppelin 'Dazed and Confused'